2023年7月25日第5回委員会が開催されました。

  どのように取り扱われるかは不明ですが、委員会に向け、私清永奈穂の個人的想いを込めた以下の様な提案を事務局に出しました。

            青年期における「危機」を検討する

         ~規範意識と行動のギヤップをいかに埋めるか~


                           日本女子大学学術研究員(教育学博士)

                                       清永奈穂

  1. 思春期(16~22歳ころと設定)。
  2. 様ざまな問題行動の噴出・拡大期。
  3. この背後に社会規範意識の希薄さ・崩壊が指摘される。
  4. しかし実際には彼・彼女らの規範意識は云われるほど希薄・低いのか。
  5. 規範意識に関する同一調査票(調査項目)による年次を置いた同一地点同一年齢の意識調査(3回実施)によると、「社会的規範意識」は一貫して高い傾向にある(モデル図1)
  6. 問題は「意識は高い」が「その行動を『やってしまう』ことをコントロールする力」は低い。そのことを例えば「いじめ」を例に取って示すとモデル図1の様に示せる。即ち、「意識」と「行動」のGAP、「ヅレ」が問題。悪いと頭でわかって行動が裏切る。
  7. ギャップは、「いじめ」だけではなく非行(犯罪)、性問題、薬物乱用、不良行為、さらには生活全般わたって若者の問題=危機を噴出させ広げる。次世代の社会の大きな問題。
  8. このGAPを埋める社会的装置(制度・システム)をどう創るか。既存の対処的対応はできても、根源的対応法は、既存の教育システムでは無理ではないか。
  9. 我々は述べてきたように「危機体験を通した子ども教育」の体系化を主張する。
  10. 制度の精緻な検討は、場合によって第三次教育臨調を要する
*「交通安全教育」No597、31頁、2016年、清永奈穂、(財)日本交通安全教育協会より