わたくしたちが行っている最近の性犯罪者の行動を分析しますと、直接身体に触れる行為(犯罪行為)と同時に、目を引くのは被害者の日常的行動に妄想を働かせ、性的興奮を高め、エクスタシーに至る間接的プチ性犯罪者の多いことです。その時被害対象となるのは、年齢・性を問いません。最近では、特に幼児性愛被害行為の発生が注目されます。
たとえば彼等は、トイレに入りそうな好みの容姿をした女性の後をつけ、その女性が「トイレに入る、トイレから出る」、その姿を眺めるだけ(出来ればカメラに撮る)、あるいは使用中の「音」を耳にする、さらにはトイレ利用後に出てきた女性がそこで顔をあわせ「恥ずかしげに振る舞う」、それだけで性的満足(喜び)を得るのです。
こうした加害者に「ウロウロするな」といっても、彼等は「イヤー私もトイレに入りたいのですが誰かが使っていて、仕方なくここで待っているのですよ」という言い訳が正当化されることとなります。
こういう言い訳を犯罪学では「(犯罪行為正当化の)中和の理論」と呼びます。中和の仕方には8種類在ります。非常に巧妙な「言い訳」です。
彼等のこうした行為には、防犯カメラを付けようがどうしようが、止めようがありません。もちろん同一人物が繰り返し、そういう行為をしていたことがカメラで把握され、厳重注意が成された時には、ストップする可能性の高いことは言うまでもありません。しかし厳重注意するといっても、どうするのです。彼等は窃視(覗き見)も何も悪いことはしていないのですから。
こういうことがあると、だんだんそこの使用者は少なくなります。それでも必要に迫られた人は使用します。その結果、間接的プチ性犯罪の域を超えた被害行為が生じる可能性があることを考えざるを得ません。
以上のような理由からわたくしたちは、渋谷区の試験的試みに反対します。
確かにフランスのパリなどに行きますと、街中の通りに男女共有の「簡易トイレ・ボックス」が出現し、小洒落たパリ風の周囲の雰囲気に合わず、何やらギョッとします。トイレの利用は、内も外も基本的に心許せる絶対安心な場所であって欲しい。
男女を問わずいやでしょー。渋谷区には、さらなる検討を求めます。
(文責 清永奈穂 安蒜まどか 木下史江 林成子 2023/03/15)