2021年11月9日、宮城県登米市豊里町の認定こども園「豊里こども園(幼児保育施設)」に、鋭利なナイフを持った男が「多数の園児殺害」を目的として侵入するという事件が突発しました(図参照。赤線は犯人の行動経路)。
事件は幸いに侵入直後に犯人が侵入直後転倒するという暁光ともいえる状況と、園職員の機敏な阻止行動によって園児殺害にまで至りませんでした。しかし侵入者は園庭で遊んでいた園児70名のすぐ側にまで迫っていました。事件発生地が小都市であったため大きく報道されませんでしたが、本事件は、「園児殺害」を明確に意識した侵入犯罪としては、わが国で初めて起こった類例のない「重大事件」であり、2001年に発生した大阪教育大学襲撃事件(児童8人殺害、15人負傷)を想起させるもので、今後絶対に繰り返してはならない事件であります。
本当に園の方々の適切な行動に敬意を表します。
こうした状況を受け、私ども(安蒜まどか、木下史江、清永奈穂)は、従来から親交のあった登米市のボランティアのかた方のご支援を得て、現地実査に赴きます。しっかり現場に立ってまいりたいと計画しています。時間がどうしても取れないため深夜バスを使っての往復ですが、この事件はそうしてでも現地に立ってみなければいけないほど、今後の園の安全を検討する上での貴重な事件事例です。
こうした実査結果を踏まえ、来年4~5月の間に「園児を守る園を守る」のシンポジウムと具体的な講習会を開催する予定です。
(文責 安蒜まどか 木下史江 清永奈穂 2021/11/27)