世界は大きく構造的に変わろうとしている。その中にあって日本の変化は先見えず、スピード遅く、老若共に小手先、あるいは合理性を無視し無駄多く、私利私欲な行動に走りすぎてはいないか。

信なくば立たず

あるいは

心、老いる無かれ

こうした思いを抱いて私はコロナウイルス禍の隙を突き、青山と定めた瀬戸内の島に妻と二人帰る。あの今治から渦潮まく流れを小舟で40分弱。1940年代末には600人からの島民が暮らし、小学校があり農協があった。全ては消えた。その島から今年も一人の老婦人が去り住人6人となった。平均年齢83才。主は不在でもたわわに実をつけたレモンの木と6人の皆が待ってくれている。夕闇迫る静寂の中で何モノにも邪魔されず思いにふけりたい。

(文責  清永賢二            2020・06・23)