4月7日に安部首相の緊急事態宣言が出、実際に感染患者数が急カーブで増え、著名人の死亡が生じてきて、精神的緊張と自宅待機の「やりきれなさ」が溜まってきています。

別な稿で述べましたが「人間はどのくらい外出を我慢できるか」の時間をいろいろな資料を基に推測してみると、およそ2週間(14日)。一般市民も犯罪者も我慢の2週間という時間には変わりはないと考えられます。
その別稿では「(4月17日を基点)として今日は4月16日。この間10日間。犯罪発生を犯罪者(常習的犯罪者)の立場からして「そろそろ危ない我慢帯に入ってきた」と記述しました。

そして今日4月24日、14日から10日、基点の7日からは17日経過。「そろそろ」ではなく一般市民も犯罪者も我慢の限界に来て「危ない時間帯」に入っていると診なければならないのではないでしょうか。

実際、福岡市では4月21日、元従業員による女児2人を人質にした白昼の立てこもり事件が起きました。この事件では「元授業員」という点に注目する必用があります。全くの見知らぬものでなく、ごく身近な人間それも抵抗力の無い幼い者を被害者として起こった事件。おそらく従業中あるいは後の扱いに不満をつのらせ、さらにその不満を「明日の生活を描けない」あるいは「閉鎖的抑制生活」によるストレスが一層の強化作用を果たし、高じて過剰な被害妄想に至り、その妄想心が復讐心(resentment)につながり、その復讐を実行した犯罪ではないか。こう考えるとウイルス下の犯罪について2つのポイントが指摘できと思います。

第1に今犯罪へと導きかねない欲求不満・緊張(strain)・ストレス(stress。緊張とストレスは違う)等の負のエネルギが社会の様々な階層、特に明日の生活が見えない低層に蓄積し、エネルギー噴出の機会を待っていること。
第2にそのエネルギーの噴出(暴発)の方向は、現段階では「身近な者」や「見知った者」で、その内の「弱い者」へと向かう可能性が高いこと。決して「全く見知らぬ者」ではない。

例えば同級生で「いじめられた」という意識のある子どもによる復讐、子どもたちの中でも「何かと厳しく接した」兄弟姉妹関係(日常のいじめや冷笑など)への反撃、学校の先生達の中でもそうした目で見ていたと思われる特定の先生への復讐。親でもかって結婚し同居していたが別れた(あるいは別居)片方の親による「愛と憎しみのドラマ犯罪」。あるいは現在同居はしているが子どもとの関係の無い親(継父・母)による消去法的暴力(この子さへいなければ)。そりの会わない職場の同僚・上司への復讐。

復讐の方法は、いくらでもある。直接肉体的暴力を振るう、ねちっこく心理的に攻める間接的暴力、スマホを使った噂風復讐・・・・・。

子どもに関して言えば今、子どもはそうした暴力に曝される縁にある、ということだ。こうした子どもを守るのは、今は「家族間の愛と信頼」の結びつきしかありません。今こそ家族間の愛と信頼の絆がどれくらい強固なものであるかが確かめられていると痛切に感じます。

頑張れ!日本の親子たち。

つらい日々だ。でもあなたたちは一人ではない。私たちも一緒にこのつらい暮らしを走ろう。まちがいなく明日がある。
(文責   清永奈穂      2020・04・24)