子どもたちは家に引きこもり、どうしようもない、先の見えない時間を過ごしています。まるで若隠居を過ぎて「幼児隠居」の状態。

たまに外に出る。せいぜい近所の公園、ポケットパーク(小さなたまり場)、近所の街路。一人、あるいは両親・保護者、兄弟姉妹と。それも「間(social distance)」を置いて。
よこしまな意図を抱く者、あるいは「フッと」その手の気持ちを抱いた者にとり、獲物(子ども)めがけて働きかけるには、今が最適な環境だ。social distanceなどいうが、私たちがこれまで「不審者とすれ違う時の距離」として教えてきたのは、「相手の身長×1.8メートル」。(不審者も身長が異なる。ぐっと手を伸ばせば届くのが上記の公式。外国人になるとさらに遠くになる。3メートル近く?)。約2メートル、危険距離(犯罪者から見れば「やれる距離」)。少なくともそれ以上は、離れなさい、と言うのが「犯罪からの安全教育」の教えであった。2メートルでは危ない。今回のsocial distanceの教えもせいぜい2メートル位ではないか。とすれば不審者は、子どもをキャッチできるテリトリー内に容易に入れるわけだ。

周りにあまり人は居ない。車も走っていない。
防犯ボランティア、見守りボランティア等、居ない居ない。
子どもは一人。一人でなくとも周囲から離れている。そうしなければいけない!第一に・・・・・・・
マスクをしても不審がられない。マスクをしないことが不審がられる。
今こそ誰でもマスクをつけた不審者になれる。これに眼鏡を掛けたら完全に性別年齢別不詳の匿名化完成。

これまでのように「不審者の見分け方=マスクをした人、眼鏡を掛けた人」というのは通用しない。不審者天国、と言って良い。

実際、大都市圏だけでなく地方の新潟県、滋賀県、兵庫県などから「多数の声かけ不審者出没」の声が毎日のように届く。子どもが危ない。今、みんな自制している。危ない意図を持った者も。しかしこの自制もやがて外れる。その時・・・。


どうすれば良いか。千葉県警と(株)ステップ総合研究所が共同で開発した「だめです、イヤです、いきません」をしっかり告げること。

よこしまな意図を持って「子どもに近づく者」の殆どは、黙って突然襲いかかると言うことはない(「絶対ない」とは言わない。どの位「突然襲いかかる」かの公式統計はない。しかし私たちの調査から言えば9割以上が「声あり」だ。「声」の代わりに視線を投げてくる者も居る。「視線」も「声」と同じ)。危ない者は、まず「声かけ」をする。その「声かけ」の意図は、邪魔者の居ない・他者の視線の届かない場所へ「子どもを移そう(誘導する)」ということにあるる。

声が掛けられたとき、子どもは、こうしたときこそ、しっかり「イヤです、ダメです、いきません」の内の一つの言葉を告げて足早に去れば良い。安心安心。それでもついてくるときは「大声」をあげろ。声の上げ方のマニュアルもある。ただあげるだけではダメ。

千葉県警は、こうした思いを込めて県下全小学校に「イヤです、ダメです、いきません」の指導CDを作成し、県下全小学校に配布しました。

まだそうした手立てをしていない学校あるいは町内会は、1枚ペラの「イヤです、ダメです、いきません」指導パンフを作成し、在宅する子どもたち(子どもだけでなく女性にも)に配布したらいがでしょう(「イヤです、ダメです、いきません」は千葉県警のHPに載っています)。
(文責  清永奈穂                2020・04・20)