他殺であることが明瞭になってきた。事件である。
しかし「読む(読み解く・考察)」のがきつい事件である。
ただ言えることは、最近の子どもを巡る事件は、1980年代初めに盛んに言われた「内犯罪」の時代に再び入ったことがはっきりしてきた、ということである。
1980年代初めのころから始まる「内犯罪」の中心は「家庭『内』暴力」であった。その背後には、1940年以降の「内」へと向かう歴史があった(有斐閣「少年非行の世界」)。
これからの「内」犯罪は、家庭内だけでなく、日常的には親密な関係を結んでいる小地域内、小集団内などの事件が発生してくるのではないか。前と同様に歴史というフイルタ―を通して今回の「内」犯罪現象も読む必要がある。
(文責 清永奈穂 2019・09・18)