匿名・流動型犯罪グループ(以下「トクリュウ」)と呼ばれる集団による連続強盗が頻発し、多くの被害者が出ている。早急な事件解決が求められ、そのための分析が進められている。私たちにも「この事件とその犯人をどう読むか?」の幾つかの質問が寄せられている。また昔の友人たち(公人ではない私人集団)からトクリュウに関する様々な意見・記録が寄せられている。これらの意見・記録を踏まえながら「トクリュウとはいかなる集団か」の質問に答える簡単な試験的記述を行いたい。
1 トクリュウ型犯罪集団の構造
この集団に関し「指示役」「実行役」などの役名がつけられ、その働きが語られている。重要なことは、「指示」が「SNS」でなされていることである。つまり「目に見えない形」で指示がなされ、その指示の下に「バイト的」に強盗が実行されているということである(図1参照)。
即ちトクリュウ型犯罪集団は大きく二層構造となっており、SNSを挟んで⓵目に見える可視的な実行部隊、②目に見えない非可視的な指示部隊に分けられる。さらに古い友人たちからの意見に従えば、この「非可視的指示部隊」も、間にSNS等を挟んで間接的な人間関係にある限られた最上部の「支持層の支持層」、言ってみれば連続強盗事件「全図見取り図」を描く絵描き役がいると考えらあれる。最終的には、トクリュウ型犯罪集団は、最低でも三層(非可視=2層、可視=1層)となっていると考えられる。この三層の内の最低層を構成する可視的な実行部隊は、さらにSNSで上層の指示を受ける「実行部隊」と、その勢いに誘われての「誘発実行部隊」とい細分化される。警察やマスコミの注視と検挙の多くは、この最下層の実行部隊に注がれていると見える。事件解決は、その最下層の上部に位置する非可視的な部分の勢力に注がなければ、事件㋔本質的な解決には至らないであろう。
思い起こしてもらいたい。この構造は2022年から23,24年に掛け日本を揺るがせた「一連のルフィ事件」にうかがえる。あの時の根元の人間は、自分の身は安全なフイリピン等から、非可視的に実行部隊を遠隔操作していた。仮想の実行部隊にのみ注力し追いかけ一見問題解決したと見えても、上部の二層を検挙しない限り、形を変えてまた同じような事件が起こることになろう。(この稿続く)
(文責 清永賢二 川島宏昌 清永奈穂 2024年11月15日)