自動車は、なぜ危なさを産みだすのか。この1点を子どに理解させることなしに、「自動車の危なさ」を教えることは出来ない

 答えは、自動車には「輪」がついているから、である。「輪無し」の自動車は単なる「鉄の箱」である。逆に言えば「輪」の付いた物は、状況により全て「危険物」となりうるとみた方が良い。

 例えば日本海中部地震で起こった大地震の時、体育館で体育をしていた子どもたちは、体育館隅に置いていたグランドピアノの足元の「輪」が動き出し、大きく重いピアノが絶叫をあげながら逃げ回る子どもの間を「ゴロゴロ」とすさまじい音を響かせながら走り回った、という恐怖の状況を産みだした。

 今、道路環境が大幅に変化しつつある。自動車のみならず、「輪」のついた新しい乗り物が車道から歩道まで走り回る。さらにいうなら、こうした乗り物だけではない。旅行者の大型トランクにも下部に小さな「輪」が付いている。オランダ・スキポール国際空港にある電車フォームに下って行く長い通路を旅行者の大きなジェラルミン製トランクが、持ち手の手を離れ加速しながら、下方の歩行者の群れに突っ込んで行くの1998年啞然としながら眺めていた記憶がある。子どもを含む旅行者は逃げまどった。

 大地震の時、「輪」の付いた物は走り回ることを想定しておかねばなるまい。「輪」の付いた物は、状況により簡単に「凶器」に変貌する。複合汚染なる複合凶器である。学校は、もう一度、校内や教室をこうした目で見直しておく必要がある。

 ともかくその「輪つき」の中でも特に危ないのが身近な道路を走る自動者である。その自動車は「輪」との関係でなぜ危なくなるのか。まずこのメカニズムを子どもに教えておかねば、いたずらに「自動車は怖い」で終わることになる。

 なぜ「輪」をつけて走る車は怖いのか?大きく「おとますし(おとま寿司)」と標語化して表される5つの基本的理由がある。

 これが交通安全に関し子どもに先ず教えねばならない5つの基本知識である。

(文責 清永奈穂          2024年9月28日)

 

株に車がついている。