PSI 池上自主防犯パトロール隊(東京都大田区)
〈隊の結成と概要〉
PSI(ピース&セーフティ池上)・池上自主防犯パトロール隊は、泥棒やひったくりの
多発、子どもを取り巻く環境の悪化や少年非行の増加を受け、自分たちのまちは自分た
ちで守っていかなければならないとの認識のもと、平成15年7月、地域の有志により設
立されました。
設立当初約40名だった隊員は、その後活動の趣旨に賛同した人々が加わり、平成20年
現在で約80名となっています。隊員の職業は、会社員、主婦、公務員、自営業者、学生な
ど様々で、今までに町会活動などの既存組織にかかわったことのない人がほとんどです。また、小学生、中学生によるジュニア部会を設置し、子どもたちの安全意識の向上や健全育成、参加意識の醸成にも力をいれています。
「ふるさとを愛し、日本を愛し、他人を思いやり、いたわりあい、みんなが心を一つにし
て安全で安心なまちを作る」ことを理念に掲げ、「明るく、元気に、爽やかに」をモットー
に活動を行っています。
〈主な活動内容〉
防犯パトロール(昼夜の防犯パトロール、朝晩のわんわんお散歩パトロール)を軸に、隊員
手作りの防犯紙芝居や紙芝居をアレンジした防犯寸劇、PSIオリジナル防犯ソングなどを
活用した防犯教室や防犯講習会の開催など防犯意識を高めるための多種多様な活動も活発に行っています。また、地域への浸透策を重視し、ふれあい餅つき大会、安全安心まちづ
くり展など独自のイベントを企画するとともに、夏祭りや清掃活動などの地域の各種イベ
ントにも積極的に参加しています。
紙芝居の制作は絵の得意な隊員が担当したり、ホームページはパソコンの得意な隊員が
作成したりと隊員の職業や特技を生かすことで、隊員の生きがいや士気の醸成にもつなが
っていあす。また、ジュニア部会では、心身ともにバランスのとれた人格形成を目指して
「PSIソーラン」などのダンスにも取り組み、地域の祭りや敬老会での催しなどで披露し
ています。さらに隊員家族を含めての昼食会やスポーツ大会、バーベキュー大会などの親
睦会を企画し、家族を含めた隊員相互間の理解を促す工夫をしています。
〈池上安全安心まちづくり展〉
地域住民の防犯意識の向上と、PSIの活動を地域に理解してもらうことを目的に、平成
16年から年に1回、5月に「安全安心まちづくり展」を開催しています。池上警察署、池
上防犯協会、各町会、小・中学校、PTAなど広く地域の協力のもと、駅前の一角を借りて
○ 小・中学校から防犯標語、防犯作文、防犯ポスターを募集し、優秀作品を展示・表彰
○ 犯罪発生状況や防犯性能の高い鍵等の展示
○ 各町会からの防犯活動の報告書の展示
○ 防犯パレードに開催
○ 自転車の前かごへの防犯ネットの装着
などを行っています。
特に準備を要するのが防犯標語・作文・ポスターの作品展示です。1月に地域の小・中学校に向けて作品を募集し、2月末に募集を締め切って作品を回収。その後、町会、商店会等のメンバーが集まって優秀作品を選定し、冊子にまとめて当日に表彰、という流れです。
子どもたちなりの安全・安心へのが伝わる作品が並び、最近では高校からの募集もあります。
多くの人の感心を引きつけ足を運んでもらえるよう、区の職員による和太鼓の演奏や地
元の中学校の吹奏楽部の演奏、高校の和太鼓の演奏、スタンプラリーなどの催しも取り入れ、地域が一体となって活動を盛り上げています。
〈ふれあい餅つき大会〉
毎年年末には、地域のお寺で「ふれあい餅つき大会」を開催しています。年末警戒と青
少年健全育成を目的とし、警察、PTA、おやじの会との連携のもと行われます。
120キログラムものお米を用意し、女性陣は前日からお米をといで準備します。さらに
ボイラーでお米をふかし、味付けにきな粉や大根おろしなどを用意します(保健衛生上小豆
は用意しません。)。きねやうすは近所の神社から貸し出しを受け、この設置は力仕事なので男性陣が担当します。若手警察官も餅つきの助っ人で登場します。餅つき後はきねやう
すをきれいに洗い、神社の倉庫に戻して終了です。
つきたてのお餅がふるまわれるとのことで、子どもからお年寄りまで1000人もの人が
訪れます。防犯チラシ、防犯ネットの配布やカギの講習会を行って防犯意識の高揚を図る
とともに、地元の人による和太鼓の演奏が華を添え、「平和な年を迎えられますように」
「新しい年を一緒に迎えましょう」との気持ちを込めています。
(出典:『防犯ボランティア活動リーダー編』 全国防犯連合会 清永賢二監修)